雑草との静かな戦い、誰かの暮らしを守る仕事です
2025/11/25
朝の光が差し込む頃、住宅街の一角で草引きの作業が始まった。依頼主は高齢のご夫婦。庭の手入れが難しくなり、伸び放題の雑草に困っていたという。作業は黙々と進む。土の匂い、風に揺れる木の葉、時おり聞こえる鳥の声。にぎやかさはないけれど、心が落ち着く時間だった。
膝をつき、一本ずつ丁寧に草を抜く。根が深く張った雑草には、長年の暮らしの跡が見えるようだった。作業が終わるころ、ご夫婦がそっとお茶を差し入れてくれた。「こんなにきれいになるなんて」と、笑顔がこぼれる。
草を引いただけ。でも、その静かな時間が、誰かの暮らしを少しだけ軽くした。そんな実感が、今日の汗を心地よいものに変えてくれた。




